空手道禅道会の礼法

日本武道の先人たちが研鑽を重ね積み上げてきた、伝統の礼法を現代

徒手格闘の現状にあわせて再編した禅道会特有の礼法です。

 

武道の礼法に共通する理念は

① 相手に対して礼を失しないこと

② 相手に隙をみせないこと

③ 相手の存在に対する礼儀

 

① については当然です。

 

②については武道特有のものです。それは戦国の時代、隙をみせ相手の邪心により切られてしまえば護身としての武道修行者として未熟であるとの考え方からです。

よってすきをみせないこと、そしてもし、相手の邪心により向かってきた場合、即座に対応出来なければなりません。しかしこの頃の礼法は、左腰に剣を持っているのが前提の礼法でした。よって左右の足の出し方、引き方などが素手の場合と逆になるなど、現代の社会とは実情が異なる要素もあります。

 

ですが、基本的な考え方として、格闘体勢の構えている状態だけでなく、あらゆる体勢(正座、あぐら、立つとき、座るとき)において即応できることが必要となります。さらに体の構えだけでなく、心構え、気構えすべてを満たしていなければ真の意味での武道の礼法とはなりません。

 

③については一段深い考え方です。本来武道は自分が生き残るための格闘術からスタートしました。しかし江戸時代になり世の中が平和になると武道の修行に自己修養の要素が加わり、やがて禅の文化と結びつき拳禅一如といわれる境地、いわゆる仏道と武道の目指すべき境地は一如(同じ)であるとの思想か生まれました。

 

武術から武道となったわけです。戦いとは相手を打ち負かすことが目的ではなく、自身の未熟な部分を相手を通じて試し合う(試合)ことのなかで次なる修行の糧とするというふうに変化してきました。

その中で自身の未熟な部分を教えてくれた相手に対して礼儀を通すと同時に、その相手の存在自体に礼をするという意味があります。これは茶道でいう一期一会にも通じる思想です。

 

以上の意味をふまえて礼法を学びます。